海外での食中毒に梅干しが無力だったときの思い出
昔、私が中学生だった時のお話です。
私は人生で初めて海外に旅立ちました。
そこで待っていたのは厳しい社会からの洗礼(食中毒)だったのです。
タイのバンコクに行きました
始めての海外はタイのバンコクでした。
空港に着いた瞬間から感じる湿気と熱気。東南アジア感満載です。
東南アジアで気を付けることと言えば、そう『水を飲んではいけない』です。
一見キレイそうな水であっても、日本人のクソザコなお腹だと高い確率でお腹を壊すらしいです。
とはいえ、そこそこのホテルで食事の時に出てくるような水はミネラルウォーターです。
しかし、そこには落とし穴がありました。
いいか『氷』には気をつけろ
ホテルで出てくる水そのものはミネラルウォーターでも氷は水道水から作っていることがあるようなのです。
そのことを事前に聞いていた私は『飲むわけないじゃん。余裕でしょ。』と思っていました。
しかし、習慣とは恐ろしいもので、食卓に氷水が置いてあると飲んでしまうんですね。
ですが私は用意周到な性格です。
ある秘密兵器を日本から持ち込んでいました。
梅干しを食べてみた
秘密兵器とは『梅干し』です。
生まれつきお腹がザコい私は、梅干しが食中毒に聞くという噂を聞き、スーツケースに忍ばせていたのです。
氷水を飲んでしまいましたが『梅干しがあれば大丈夫』、そう安心して梅干しをパクパク食べて床に就いたのでした。
夜中に突然目覚めて嘔吐
運命の時は突然やってきました。
現地時間で朝の3時頃、ふと目覚め、本能的にトイレに向かいました。
私はマーライオンになりました。
ですが私が居たのはシンガポールではありません。バンコクでした。
嘔吐と下痢と高熱と
その夜は一通り吐いてからなんとかベッドに戻りました。
そして目が覚めると、気持ち悪いだけではなくお腹も痛いし寒気がするし関節が痛いしと、食中毒のフルコースのような症状に襲われました。
症状が収まってきたのは確か2日後くらいだったと思います。
どうにか帰国はできましたが、観光をする予定の期間はマーライオンになっていましたので、お土産すら買うことができませんでした。
3000バーツ(10000円くらい)を持って行ったのに、私がお金を使ったものと言えば、セブンイレブンで買った『お~いお茶』だけでした。
ちなみに、タイの『お~いお茶』はタイにローカライズされてめちゃくちゃ甘かったです。強烈に記憶に残る程度には甘いです。気を付けてください。
そもそも梅干しって食中毒に効果あるの?
梅干しって食中毒に聞くとか食べ物が傷みにくくなるとかいう噂がありますよね。
でも私の食中毒には完全に無力でした。
そこで、梅干しの作用について調べてみました。
一応、抗菌効果はある
紀の誉食品株式会社によれば、梅干しに含まれるベンズアルデヒドという成分には抗菌作用がある[1]そうです。
私はすっかり梅干しへの信頼を失っていましたが完全なガセではないということがわかりました。
お弁当に梅干しを入れることに意味がないというわけではないようです。
でも、梅干しにもカビは生える
しかし一方で、一般財団法人 梅研究会によれば、梅干しにもカビが生えることがある(適切に処理すれば食べられる)[2]のだそうです。
抗菌作用があるとはいえ梅干しもカビには勝てないようです。
『梅干しさえお弁当に入れておけば安心』とは言えないですね。
しかも、食中毒を治せるほどではない
やはり梅干しは信用できません。
そもそも梅干しだけで食中毒が防げるならみんな健康です。
医師によっては
勘違いされやすいのは、お弁当などに梅干しを入れておいたら腐らないし食中毒にもならない、と思われがちなこと。実は梅にそこまでの防腐効果や殺菌効果はありません。
(文献[3]より引用)
という見解の方もいますし、梅干しに頼るのはやめておきましょう。
いかがだったでしょうか。
皆さんが私のようにマーライオンにならないことを願っています。
参考
[1]紀の誉食品株式会社:梅干しの効能(2017/4/10 閲覧)
[2]一般財団法人 梅研究会:梅干のカビ処理・土用干し(2017/4/10 閲覧)
[3]Doctors Me:季節は関係ない食中毒!梅肉エキスの驚くべき効果とは!?(2017/4/10 閲覧)