【読書】世界から猫が消えたなら/大人になりきれなかった貴方に
ストレス社会がつらすぎるのでスゴい頻度でコメダ珈琲に入り浸っていたら、本を読みたくなりました。
カフェってそういう雰囲気がありますよね。
Kindleまで買ってしまいました。
(⇒コメダ珈琲にいたら読書したくなったのでKindleをポチった)
せっかくKindleも買ったことだし、読書しました。
本の選定基準はタイトルが面白そうかどうかです。
今回は川村元気さんの『世界から猫が消えたなら』の読書感想文をお送りします。
世界から猫が消えるとか考えたこともなかったです。
(⇒書籍レビュー)
あらすじとか
僕の葬式。僕の枕元に集まる人はどんな人たちだろうか。かつての友達、かつての恋人、親戚、教師、同僚たち。そのなかで僕の死を心から悲しんでくれる人は、何人いるのだろうか。僕と猫と陽気な悪魔の7日間の物語。
(「BOOK」データベースより)
突然の余命宣告。そんなとき現れた陽気な悪魔。どうやら明日死ぬらしい。悪魔に唆され、世界から何かを消すことで、もう一日を生きることにした。
そんな物語。
あんまり本を読まない私みたいなタイプでもスラスラ読めちゃう感じの文章です。小学舘文庫だしそりゃそうか。
雰囲気としては、ゆるふわ系。危機的な状況を描いているのにね。
あと、涙腺崩壊ポイントが多いのでコメダ珈琲とかで読むとアレな感じになります。ご注意ください。特に猫を飼っていたことのある人。
ちゃんと大人になれた人には無用の本
本書は映画化までされているベストセラーだったりします。
でも何故かAmazonのレビューはめっちゃ悪かったのです。
なんでかなーって考えてみると、たぶんこの本、“大人”の皆さんには響かないんだと思う。
主人公はあんまり真剣に生きてないし、考えてもないし、感情的。
そうやってなんとなく生きてきて、そのまま大人に成りきれず人生の消化試合に突入しちゃうような三十路男の物語。
そんな男が死を目前にして、初めて人生と向きあう。
ちゃんと生きてきた皆さんなら履修済みの内容。
だから“大人”には響かない。
私みたいな“子供”の皆さんは読んでみると良いかもしれない。
ふと寂しくなったときに読むとちょっと楽になるかも
私は仕事ができないのでバリバリ元気に働いている人達を見て、社会の流れに取り残されている感じがしています。
寂しい。
友達も普通に社会に溶け込めていて、みんな遠いところに行ってしまったような気がする。
本書では色々なモノを消し去ることで寿命を伸ばします。
消し去るごとに主人公は、その消し去られるモノにまつわるエピソードを思い出します。
そして、そのエピソードはだいたい誰かと繋がっているんですね。
なんでもないような思い出なんだけど。
あなたの場合はどうでしょうか。
私もそこら辺にあるモノに目を留めてちょっと考えてみました。
そういえば、いま目の前にある目覚まし時計は、朝に弱い私のために後輩が卒業祝いにくれたものでした。
『遅刻しないで会社行かなきゃな。』
『ていうか、夜更かししてブログ書いてる場合じゃないな。』
そんなふうに考えていると、自分は一人じゃないかもって思えてくる。
疲れていて、目の前が見えていないだけで。
あなたの大切な人は誰ですか
読んでいてハッとした描写がありました。
主人公は携帯電話を消し去ることになるんですが、その前に一回だけ電話をかけます。
電話帳を見ながら誰にかけたと思いますか?
答えは、電話帳に載っていないアノ人。
たくさんの名前が載っているものの、最後に電話をかけたくなる人は、その中に居なかったみたいです。
ガラクタみたいな人脈だったんですね。
言われてみれば、本当に自分にとって大切な人って携帯の電話帳がなくなっても連絡できちゃうよね。
例えば、私の手帳(もはや使っていないし去年用)には連絡先を書いておくページがあるんですけど、そこに2人だけ、名前,住所,電話番号,メールアドレスを書いてあるんですよね。(親族じゃないです。)
確か、マジで困ったらこの人達に連絡しようと思って書いたんでした。
たぶんこの人達が、私が信頼する大切な人なのでしょう。
ちょっと疎遠になっていたとしても。
あと、なんか悔しいけど、実家と両親の電話番号も暗記してました。
頼ってやるものかと思っていますけど、そういうものなのかもしれません。
時間軸に注意して読むといいぞ
ネタバレになるので詳しくは述べませんが、時間軸に注意してください。
読者に時間軸を勘違いさせるフェイク的な手法が織り混ぜられています。
結末の解釈が変わってきますよ。
わかったらニヤニヤすれば良いと思います。
いかがだったでしょうか。
皆さんも私みたいに読書をして、小学生の夏休みの宿題並みの読書感想文でも書いてみては?
(⇒書籍レビュー)