皆さんの周りにはサービス残業をしている人はいませんか?
言われた仕事が終わらないからサービス残業、という気持ちは分からなくもありません。
叱責されますもんね。『なんでできないんだ!』って。
でも実はサービス残業って、マナー違反なんです。
(2018年の日本では美徳かもしれませんが、いずれ古典になるでしょう。いとをかし。)
サービス残業は違法
残業をサービスで行っている方は手を挙げてください。
いま手を挙げたあなたは、上司や会社に違法行為を犯させています。
あなたが違法行為を行った訳ではありません。
あなたの行為を見て見ぬふりして放置したことが違法なのです。
そうせざるを得ない仕事量なり圧力があるのですから。
労働基準監督署によれば、労働基準法37条には『時間外労働、休日に労働した場合は割増賃金を支払わなくてはならない』との旨が記されています。
そして、この37条の内容を守らない場合と労働基準法違反で『懲役6ヶ月以下又は30万円以下の罰金』に処せられる可能性があるようです。
あまりにも罰が軽い気もしますが、それでも罰則付きの法律なのです。
管理職には管理責任がある
管理職は従業員の労務を管理するのがその役割です。
あなたの労務状況を適切に管理し、サービス残業をせずに、勤務時間+正規の残業時間で終わる量の業務を振り分けなければなりません。
当然、勤務時間+正規の残業時間を越える労働をあなたにさせることはできないのです。
そして、させてはいけない労働を従業員がしていないか管理するのも、管理職の仕事です。
上司のキャリアは台無しに
労務監査などでサービス残業が明るみに出た場合、どうなるでしょう。
違法となれば書類送検されるなど、司法処分が下ることもあります。
労働基準監督署のWEBページには、司法処分の事例が載っているので目を通してみると良いでしょう。
処分の対象が会社であれ役員であれ幹部社員であれ、あなたの上司が管理責任を果たせなかったことは明白です。
あなたの上司は会社か国の少なくとも片方から罰を受けることになります。
クビでしょうか、降格でしょうか。社会的地位も失うでしょう。家庭はどうなってしまうのでしょうか。
上司の未来を考えると、サービス残業などという不遜な行為はあり得ません。
本当に失礼です。
実は一般職にも失礼
ここまでは上司に失礼という観点でお話をしましたが、実はサービス残業は一般職にも失礼です。
サラリーマンの労働は多くの場合、時給制です。
時給制でできるだけ時間単価を上げたいとみんなが思っているときに、一人だけ割り引きをして労働力を販売している人がいるわけです。
そうなると他の社員も割り引きせざるを得なくなってしまいます。
これが同調圧力として働きます。サービス残業は連鎖してしまうのです。
ちなみに、サービス残業を連鎖させないと経営が成り立たない場合、その会社は実質的に経営破綻しています。
転職の準備をしましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
社会人として、マナーを守ることは大変重要です。
しっかりとその意味を理解し、実践していきましょう。